上場会社と非上場会社の時価総額

時価総額とは、会社の企業価値全体を指し、上場会社においては通常は一株当たりの株価に発行済株式総数を乗じて計算しますが、非上場会社には証券取引所での株価はありませんので、直近の発行価額などを用いて、当該価額に発行済株式総数を乗じて求めることがあります。この他、資産負債を時価評価した後の純資産の金額や、見込まれる将来キャッシュフローを現在価値に置き換えて企業価値を算定するDCF法などの方法により計算することがありますが、純資産やDCF法により算定された企業価値は、あまり時価総額という表現はしません。
M&Aの際などに、取引価格を決めるための参考情報として価値算定をすることがありますが、非上場会社の価値算定をする際にはDCF法、純資産額法に加えて類似業種比準方式という手法も用いて価値を算定し、それら異なる方法で算定されたそれぞれの時価から会社の価値を推定することが多いです。各評価方法の詳細については、「非上場会社の株価算定方法」の稿をご参照ください。
なお、これら評価手法は、非上場会社が投資家に向けて新株発行をして資金調達をする際の発行価格の参考にするために用いられることもあります。

PER & PBR

上場会社の指標でよくPERという言葉を耳にするかと思いますが、これはPrice Earnings Ratioの略で、株価が一株当たり当期純利益の何倍となっているか、を表す指標です。一株当たり当期純利益は期中の平均株数で当期純利益の金額を割って求める指標ですので、期中の株数次第では必ずしも金額は一致しないのですが、イメージとしては、時価総額が当期純利益の何倍なのか、という指標と近いと考えて頂ければと思います。東証一部の会社のPERは15~20倍が平均ですが、東京証券取引所の新興市場であるマザーズのPER平均は100倍前後になっています(日本取引所グループ参照、2018年9月現在)。これは、東証一部に属している会社は業績の安定した大企業が多くを占めるのに対して、マザーズには将来性のある、これから大きくなる可能性を秘めた会社が多く属しているため、将来の見込みを反映させた株価が当期純利益の水準に比して大きくなっていることによります。IPOの際のPER水準としては、数十倍が一般的な数値という印象です。

ちなみに、PERに似た指標としてPBRもありますが、これはPrice Book-value Ratioの略で、株価と一株当たり純資産との割合を占める数値になります。会社の純資産の時価である時価総額と、純資産の帳簿価額(時価評価されていない帳簿上の金額)との比率を表す指標です。
PBRが1倍を下回っている場合、それは会社の帳簿価額としての純資産よりも時価総額の方が低いということになり、単純に言えばその会社を丸ごと買収すれば、それ以上の価値のものを入手することができるため、”割安”と判断される基準の一つとなります。ただし、BSに計上されている資産負債はあくまで帳簿上の価値であり、実際にその資産を売却したとしても同額の金額を対価として得られる保証はありません。たとえば土地などは取得後は基本的には帳簿上の時価評価はしませんが、過去に100で購入した土地がその時点では100で売却できる保証はなく、それよりも市場価格が下回っていれば損をすることになります。