創業融資の審査において、重要なポイントとなるのが自己資金です。
特に創業融資の取り扱い件数が一番多い日本政策金融公庫は自己資金の最低ラインを設けています。

では、そもそも自己資金とはなんでしょうか?

創業融資における自己資金とは?

法人を設立すると資本金を準備する必要があります。
では、資本金=自己資金なのでしょうか?
これは半分正解で半分不正解です。

自己資金とは、

  • 資本金として会社に入れたもの
  • 代表者や役員などが会社に貸す予定の事業資金

この2つのことを言います。

なので、資本金にはなっていなくても、
代表者や役員などから会社が借りたお金は自己資金としてみなすことができます。

ただし、役員などからのお金は返済する期限が決まっているものは
自己資金ではなく通常の借入ですので注意してください。

創業融資において自己資金の有無は重要な審査のポイント

創業融資において、自己資金の有無は重要な審査のポイントになります。

というのも、資本があれば十分なお金をかけて事業ができるので、
事業を軌道に乗せやすくなるのは想像しやすいと思います。

また、事業、特に創業は何が起きるかわかりません。
あれだけ綿密に立てた事業計画も全くその通りにいくということはほぼありません。

もちろん上方修正であれば嬉しい限りですが、
予想していなかったことも多々起こります。
どちらかと言えば下方修正せざるを得ない状況が多いです。

その際に自己資金が多ければ、立ち直るまでの期間をしのぐことができます。
しかし、自己資金が少なければ立ち直るまでにしのげる期間が短くなり、
立ち直ることができないまま事業がダメになってしまうこともあります。

つまり、自己資金は事業の余力にもなります。
余力はあるに越したことはないですよね。

事業開始時には事業経験が少なかった人も、
少しずつ経験を積むことでよりよく事業展開ができるようになります。
その時間を稼いでくれるのも自己資金です。

事業をする上で自己資金というのは必要不可欠なものです。

審査する機関はどうやって自己資金を用意したかをチェックしている

自己資金の重要性はわかったけど、今まで貯めてこなかった。
でも事業を始めたいし、融資も受けたいのでどこかからお金を引っ張って自己資金があるように見せようかな。

その考え、ちょっと待ってください。

審査する銀行や日本政策金融公庫、信用保証協会など、どこも自己資金の出所を見ています。

例えば会社の通帳に社長から200万円振り込まれていた。
しかも、資本金とは別。
審査する側からしたらこれなんですか?って質問したくなりますよね。

例えば、社長が自分のポケットマネーなんですよって答えた場合、
どうなると思いますか?

  • 社長個人の通帳を見せてください。
  • 退職金であればその明細ありませんか?
  • 今までの収入状況を確認させてもらえますか?

あらゆる手段でその200万円の出所をはっきりさせようとします。

もちろんわかる範囲までですが、
お金の流れを追うのが得意な人たちです。
その場しのぎ的な答えをするとあっという間にバレてしまい、
審査にも悪影響にしかなりませんので、嘘などはやめましょう。

お金の出所を説明できて、その説明を聞いて納得してもらうことができれば
自己資金として取り扱ってくれます。

創業融資における自己資金はいくら用意したらいい?

明確にいくら用意したらいいという決まりはありません。

日本政策金融公庫の新創業融資制度では、
「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」としています。

ですが、一般的に
自己資金は創業資金総額の3分の1程度
を準備しましょうと言われています。

創業時には売上が入金されるまでの資金として2~3ヶ月程度の運転資金、
店舗や設備が必要な事業であれば準備するために設備資金が必要になります。

それを全て融資で準備するとなると、
かなり大きい金額を借りる必要がありますよね。
お金を借りたら返さなければいけません。

借りる金額が大きいと審査のハードルが上がるのはもちろん、
返済金額が大きいと資金繰りへの負担も大きくなります。

創業資金はなるべく少ないほうが事業はうまくいきやすいと思われます。
もし設備がどうしても必要な場合はリース会社を利用するなどして
創業資金を抑えるような工夫もしてみてください。

自己資金が無い場合は融資を諦めないといけないのか?

今まで自己資金を準備してこなかった場合はどうしたらいいでしょうか?
融資を受けないと創業するのは難しいけど、
自己資金が無いから創業融資を受けることは諦めないといけないのでしょうか?

そんなことはありません。
自己資金が少なくても創業融資を受けられる可能性は残っています。

それは、銀行から融資を受けることです。

日本政策金融公庫では自己資金の最低ラインが設けられていますが、
銀行では設けられていません。

もちろん、審査の目線は自己資金がある場合よりも厳しくなりますが、
そもそも審査すらしてもらえないということはありません。

その際には、より丁寧に事業計画書を作成して、
事業がうまくいくことをアピールしましょう。

自分で計画書を作るのが苦手、
より確実に融資を受けたい、
その際には専門家に頼むという選択肢も持っていてもいいと思います。

事業開始時は何かとお金が必要になり
出費を抑えたい気持ちもわかりますが、
そこは必要経費と割り切り
事業を伸ばすことに注力した方がいいのかなと思います。


融資を受けられないで細々と事業をするよりも、
融資を受けて十分な資本をもって事業に取り組みましょう。

まとめ

自己資金は審査の重要なポイントの一つですが、
何よりも事業を進める上で自己資金をどれだけ持っているかは
事業を発展させるために重要だからです。

しかし、最初から完ぺきに準備しなさいというのも
難しい話です。

そのための融資制度ですので、
上手く制度を活用して事業を進めていきましょう。