創業の際に会社を設立する方法として、主に株式会社の形態と合同会社の形態の選択をすることになるかと思います。会社法においては、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4つの方法が設定されていますが、合名会社や合資会社はあまり一般的ではないため、ここでは説明を省略させて頂きます。

 

株式会社の特徴

株式会社においては、設立時などに決めた株数に応じて、誰がどれだけの株数を持っているかにより、議決権比率などが決まります。例えば、設立時の発行株数を100株とし、自分が70株分の資金を入れれば、議決権比率および持株比率は70%となります。議決権比率とは株主の会議体である株主総会において、どれだけの発言力を持っているかを指す指標です。一般的に日本の中小企業では、株主と経営者が同一(社長=オーナー)となることが多いですが、会社法上は株主と取締役は必ずしも同一ではなく、株主総会にて選ばれた人が、取締役となります。一般的に上場会社と呼ばれる企業はみな株式会社の形態をとっており、誰でも株主になれる一方で、株主に選ばれた人しか取締役になることはできません。

 

合同会社の特徴

合同会社においては、会社の出資者と経営者が同一となります。株式会社では会社に出資した人を株主、経営をする人を取締役と呼びますが、合同会社においては両者の区別なく、社員と呼びます。ただし、出資者と経営者をある程度分けることも可能で、それが合同会社のメリットの一つとも言えます。具体的には、業務執行社員という、社員のうち業務を執行する(会社を経営する)社員を選定したり、出資の額の比率に関わらず配当の割合を自由に決められたり出来るという設計が可能です。

 

設立手続きの違い

合同会社のメリットとしては上記の他にも、株式会社に比べて安価に、より簡便に設立することが可能であるということも挙げられ、近年は合同会社を選択する創業者が増えてきている印象ですが、将来的にベンチャーキャピタルなど他社からの出資を考えている創業者としては、合同会社はあまり向いていないかもしれません。上記のとおり、出資者が自動的に社員に名を連ねることになるためです。なお、合同会社は英語ではLLCと呼ばれ海外では一般的な形態であることや、手続きが簡素であることから、AmazonGoogleAppleをはじめとした外資企業は、日本法人を設立する際に合同会社を選択するケースが多く見られます。合同会社は近年増加してきているため、以前ほどは知名度の低さという不利な点は、徐々に解消されてきていると考えられます。

 

合同会社から株式会社への変更も可能

なお、合同会社から株式会社に組織変更することが可能なため、まずは設立が簡便かつ安価な合同会社で事業を開始し、合同会社のデメリットを感じた時点で株式会社に変更することもでき、トータルでのコストも最初から株式会社を選択するよりも低く抑えられるというメリットもあります。