事業経営のために金融機関から融資を受ける場合、融資額と共に返済期間についても考えなければなりません。なぜなら、借入申請書の返済期間を記入する欄があるからです。また、妥当な返済期間を設定しないと、後々返済が困難になってしまうケースもあるので、事前にしっかり考えておきましょう。

今回は事業融資の返済期間を決めるポイントや知っておきたい据置期間についてご紹介します。経営のために融資を考えている方は参考にしてみてください。

返済期間を慎重に決めないといけない理由

事業融資を受ける場合、返済期間は5年や10年という風にキリの良い数字で設定するケースが一般的です。また、80回や100回と回数払いで返済できる場合もあります。

日本政府金融公庫で提供される融資は比較的長い期間を設けています。例えば、中小企業向けの新事業育成資金の場合、設備投資なら20年以内、運転資金なら7年以内から選択可能です。設定できる返済期間が長い分、1ヶ月あたりの返済額が少なくなるので無理のない範囲で返済できます。

ただし、事業融資では借入額とは別に利子の返済も必要なので、返済期間が長ければ長いほど固定負担が大きくなります。また、返済中にさらに魅力的な融資が登場してしまうこともあるので、長期返済のリスクを知り、無理せずに返済できる期間を設定しましょう。

30%以上返済すれば、追加融資により事業資金をまた調達することも可能です。追加融資を検討しているのであれば、無理のない範囲で返済期間を短く設定すると良いです。

返済期間を決めるポイント

実際に返済期間を決める場合、どんなことに注意して考えていけば良いのでしょうか?ここからは返済期間を決めるためのポイントを解説ご紹介します。

返済方法を決めておく

事業融資の返済方法は、元利均等返済と元金均等返済の2つです。

元利均等返済は毎月の返済額が一定ですが、金額を占める元金と利息が変化していく特徴があります。返済開始当初は利息の方が大半を占め、返済が進む元金の割合が大きくなる仕組みです。返済額自体は変動しないので安定していますが、元金の減りが遅いところがデメリットです。

一方、元金均等返済は元金の割合は一定ですが、返済が進むごとに利息の割合が小さくなっていきます。そのため、毎月の返済額は変動しますが元金を早く返済できるので、総返済額の節約につながります。

このようの2つの返済方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれのリスクに配慮し、経営状況に合わせて適した返済方法を決めていきましょう。

月々の元本よりも高くならにように返済計画を立てる

返済方法が決まったら、毎月どれだけ返済できるのか考えていきます。事業融資に限らずお金の借入では、どれだけ借りるよりどれだけ返せるかを基準に融資額を決めた方が良いです。

融資額の妥当性を確認し、また毎月どのくらいまでなら返済できるのか決めていきます。基本的に毎月の元本が「税引き後の利益+減価償却費-利益保留額」よりも高くならないように注意して、返済計画を立てていきましょう。

返済シミュレーションを活用する

返済期間を決める際は、返済シミュレーションを活用する方法もおすすめです。日本政策金融公庫でも、借入額や返済方法、1年間の返済回数、返済期間などを入力すると、おおよその返済額を試算できます。その結果から設定した返済期間の妥当性を見極めることが可能です。

返済額が厳しいと感じたら返済期間の設定よりも少し延ばしシミュレーションしてみましょう。逆に返済額に余裕がありそうなら期間を短くしてみると良いです。

据置期間について

日本政策金融公庫の融資では、据置期間が設けられています。据置期間とは一定期間だけは元金の返済がストップし、利息だけを支払う期間のことです。

事業融資を受けたけど想定外の出費が出ることもあれば、取引先からの入金が遅い、事業が軌道に乗らないということもあるでしょう。そんな状況の中で返済を続けると資金繰りが悪くなる恐れがあるので、一定期間は利息のみの支払いという措置を取ってもらえるのです。

融資の種類にもよりますが、日本政策金融公庫の融資制度では2年以内や5年以内で据置期間の設定が可能です。据置期間はいつ頃から事業が安定するのかを想定して決めることが大事です。まだ創業したての会社や事業が軌道にのっていない設立年数が浅い会社、売上の入金が遅い会社は最低でも半年を目安に設定しておくと安心です。

事業融資の返済期間についてのまとめ

事業融資を受ける場合、融資金額の設定ばかりに気が向かいがちですが、返済期間も慎重に考えていかなければなりません。返済期間は長くても短くてもそれぞれにリスクがあります。それを理解した上で、無理なく返済を続けられる期間や金額を検討していきましょう。

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